きろく

観劇・鑑賞日記

けもののおとこ 3/31

めまぐるしく変わる時代と場面にぐるぐる思考を回転させながら思うのは、主人公・未衣の無機質さ。

女に選ばれる男、として洗練されていく未衣はお父さんの作品でしかなくて、でも友達は選ぶ対象じゃないからその時だけは人間らしくて。とはいえ他人への興味関心の薄さはやっぱり無機質で、世良くんが居ることで少し人間らしくなれていたんじゃないかなと思った。世良くんはあまりに眩しい存在だったんだろうな。世良くんの奥さんとのやりとり、電話口で思いを伝えるところはギュッときた。

そしてかぶちゃんの存在があるからこそ、未衣の人間的成長が見えたんだなと思う。自分の世界を広げてくれる存在であり、ずっと一緒にいたい存在…

性別関係なく、唯一が在るって本当にすごい事なんだよなあ。

お父さんが「父」である為に未衣を縛った呪縛が解けるのはあまりに呆気なかったけど、でもきっとそういう事なんだよな。未衣の世界がお父さんだっただけで、お父さんの世界がお母さんだけだった。

 

「けもの」の本能は気高く孤独で寂しがり屋なんだなあと思った。そういうところが情けなくて愛おしいから、きっと「けもの」は唯一を探すんだろうな。

 

大変面白い舞台だった!しかし新宿は迷う!!

終わっちゃう前に観れて良かった~!!